純文学論争(芥川賞作家と直木賞作家で残るのは
90年代末にあった「...純文学論争(芥川賞作家と直木賞作家で残るのはどっち?)
90年代末にあった「純文学論争」の頃、こう言われてました。
大衆文学は一時的な消耗品で残るものではない。
純文学はあまり売れなくても、時代を経ても残る。 確かに、昔は大衆文学は程度の低いものが多く、読み捨てられるものも多かったでしょう。
ただ、ここ何年か「文学賞メッタ斬り」の影響で、芥川賞・直木賞の両作品を過去のものも含め、
読んできましたが、残るのはどっちなんだろうな、と疑問に感じてきました。
むしろ読み捨てられるのは芥川賞のほうなんじゃないか、と。
それで質問ですが、ここ20年で芥川賞・直木賞を取った作家で、
20年後も読まれている作家は、芥川賞受賞作家と直木賞受賞作家では、どちらが多いと思いますか?
また、手間でなければ、残ると思う人の名前も挙げてください。
「残る」の定義は、書店に1冊でも小説が置かれている(=読者がいる)ということで行きます。
個人的には芥川賞だと、
多和田葉子、川上弘美、堀江敏幸、吉田修一、金原ひとみ、阿部和重、絲山秋子
直木賞だと、
高村薫、小池真理子、浅田次郎、宮部みゆき、佐藤賢一、桐野夏生、重松清、
唯川恵、石田衣良、村山由佳、江國香織、京極夏彦、奥田英朗、東野圭吾
らが残ると予想してます。直木賞優位です。
以下、受賞者リストです。
芥川賞受賞者45人
辺見庸、荻野アンナ、松村栄子、藤原智美、多和田葉子、吉目木晴彦、奥泉光、室井光広、笙野頼子
保坂和志、又吉栄喜、川上弘美、辻仁成、柳美里、目取真俊、花村萬月、藤沢周、平野啓一郎、玄月、藤野千夜
町田康、松浦寿輝、青来有一、堀江敏幸、玄侑宗久、長嶋有、吉田修一、大道珠貴、吉村萬壱、金原ひとみ、綿矢りさ
モブ・ノリオ、阿部和重、中村文則、絲山秋子、伊藤たかみ、青山七恵、諏訪哲史、川上未映子、楊逸、津村記久子
芥川賞受賞者54人
宮城谷昌光、芦原すなお、高橋義夫、高橋克彦、伊集院静、出久根達郎、高村薫、北原亞以子、佐藤雅美、大沢在昌
中村彰彦、海老沢泰久、赤瀬川隼、小池真理子、藤原伊織、乃南アサ、坂東眞砂子、篠田節子、浅田次郎、車谷長吉
宮部みゆき、佐藤賢一、桐野夏生、なかにし礼、船戸与一、金城一紀、山本文緒、重松清、藤田宜永、山本一力、唯川恵
乙川優三郎、石田衣良、村山由佳、江國香織、京極夏彦、奥田英朗、熊谷達也、角田光代、朱川湊人、東野圭吾
三浦しをん、森絵都、松井今朝子、桜庭一樹、井上荒野、天童荒太、山本兼一、北村薫、佐々木譲、白石一文
小川洋子は91年1月に受賞ですね。
角田光代の「エコノミカル・パレス」という作品があります。
斎藤美奈子「文学的商品学」で取り上げられているのですが、
「フリーター文学」を書いていた、純文学作家としての角田光代の、最高傑作ということです。
実際、詳細な描写はいいのですが、退屈な作品だと感じました。
で、そんな風に感じる私は間違ってる、というような意見を、ぜひお待ちしております。直木賞組でしょうね。
良くも悪くも芥川賞は新人賞、さらに純文学自体が死に体で、好きな作家にほとんど名前が上がらず、純文ファンも過去の作家ばかりで現在の作家に目も向けない。
そんな状況では残るものも残らないでしょうね。
直木賞は中堅作家が主で、何よりも人気があります。
歴史に残る作家は一部の特例を除いて(宮澤賢治や石川啄木)売れた(人気のあった)方ばかりです。
特に戦後、昭和後半以降残ったのは売れた作家しかいません。(わたしの認識では)
なので現段階で売れてない芥川賞は厳しいでしょうね。
売れたというのは現段階での人気や評価の最大の批評ですから。特に現代では。
残る方(20年ならおそらく)
芥川
直木賞はたくさんいるので答えられません。
補足を受けて
いや、間違って無いですよ(いきなりご希望を無視してすみません)
その本は読んでないですが、角田光代を純文学で捉えるのに疑問符があります。
名義が違いますが昔はライトノベル(当時はそんな言葉なかったかもしれませんが)書いていたという話もありますし、器用なんでしょうね。
浅田次郎が『三毛猫ホームズ』書いて、『鉄道員』書いて、『蒼穹の昴』を書くようなものでしょう。
浅田次郎が何小説家とは一言で決められないのと同じように、角田光代も決められません。
だから角田光代を純文作家として(この場合は作品単体ですが)評価するのは、ずれてると思いますね。
純文学がずれてる、死に体と思うのはそういうところですよ。
純文系は評論家は評価するけど、一般のファンや読書家が全く評価しない。
評論家だけで成り立つ商売じゃないのに、多くが評論家の方を向いてます。賞ばかり狙ってるように見える。
昔の方は純文も面白いですが、今の方は全く面白くない。あまり「今の純文学」は支持されていないようですね。
何十年後にしろ、残るような作品を作家の方々には書いてもらいたいものです。